活動報告・お知らせ

第1685回 日本軍性奴隷制問題解決のための水曜デモ(主管:戦争と女性の人権博物館)

第1685回 日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ

❋ 日時: 2025年1月29日(水) 昼12時

❋ 場所: 駐韓日本大使館前「平和路」

❋ 主 催: 日本軍性奴隷制問題解決のための正義の記憶連帯

❋ 主 管:戦争と女性の人権博物館


◆式順

〇司会:ユジン(戦争と女性の人権博物館・活動家)

〇オープニング曲 <岩のように>(正義記憶連帯)

〇 主催団体挨拶:金東姫(戦争と女性の人権博物館・館長)

〇  週間報告:イ・ナヨン (正義記憶連帯・理事長)

〇  連帯発言 

・半田・歓喜 (日韓ユースフォーラム青年準備委員会)(ヨルム活動家代読)

・ キム・ジュアン (2024年蝶の夢受賞者)

・高橋ひよう (日本希望のたね基金・運営委員)

〇 パフォーマンス:みんなで作るタイムカプセル

「日本軍性奴隷制の問題解決のために私が日常の中で実践できること」

〇 文化公演

マイノリティ連帯プンムルペ「長風」+戦争と女性の人権博物館活動家

〇 参加団体紹介:ユジン (戦争と女性の人権博物館活動家)

〇 声明文朗読

イ・ジヨン、ナギョン(戦争と女性の人権博物館・活動家)


「岩のように」

岩のように生きよう / 猛烈な雨風が吹き荒れても

どんな誘惑の手にも揺るがない / 岩のように生きよう

風に揺れるのは / 根が浅い葦でしかない

大地に深く突き刺さったあの岩は / 堅く立っているから

私たち皆、絶望に屈することなく / 試練の中で自分自身を目覚めさせながら

ついに来る解放の世の中の礎となる/岩のように生きよう



∎ 主管団体紹介 ∎

戦争と女性人権博物館は、正義記憶連帯の付設機関で、「子供たちに平和の寺小屋になってほしい」というハルモニたちの願いを込めて2012年5月5日に開館しました。博物館は、日本軍「慰安婦」被害生存者が経験した歴史を記憶し、教育し、日本軍性奴隷制問題と現在も発生している戦時性暴力問題の解決のために連帯して行動する博物館です。


連帯発言①_半田歓喜 (日韓ユースフォーラム青年準備委員会)(ヨルム活動家代読)

こんにちは。日本の早稲田大学大学院に通いながら、日韓和解と平和プラットフォーム青年の部で活動している、半田歓喜(はんだ・じょい)と申します。

私は3年前の夏、日韓和解と平和プラットフォームの仲間と共に、初めて水曜デモに参加しました。生まれて初めてのデモ、自分の意見を伝えることに消極的な日本で育った私は、デモに参加すること自体、怖いなとの思いがありました。

デモに参加する朝、”戦争と女性博物館”を訪れ、ハルモ二が残した絵を見て、ハルモ二の顔写真を見ました。今の私の年齢よりも幼いころに被害にあい、一生をかけて闘い続けたハルモ二の思いをしっかりと受け取り、デモで声をあげようという強い気持ちが生まれました。

その日はとても暑い日でした。しかし、酷暑よりも、右翼の大きな罵声よりも、水曜デモに参加する私たちの思いの方が熱く、"公式謝罪・法的賠償・ハルモ二の名誉回復”について声を上げたことを覚えています。

季節が変わっても、変わらず水曜デモを開催する正義記憶連帯、そしてデモ参加者の皆さんに敬意を表し、感謝しています。私は、現場に直接行くことはできないですが、オンラインを通して共に連帯しています。韓国の各地域から、日本から、多くの海外からも、水曜デモに連帯する多くの市民がいます。現場にいるみなさんに、遠くから連帯する私たちの力を送ります。

私が、日本軍慰安婦について知ったきっかけは、2015年の日韓外相会談で、日本軍慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的な解決」したと言ったときです。その当時私は高校生でした。被害者を置き去りにしたまま、公式の謝罪や真相究明のないまま、お金で被害者の声を黙らせて、風化させようとする姿に憤りを覚えました。

日本政府がとるべき責任は金銭賠償ではだけではありません、賠償より、比べものにならないほど重要なのは、日本軍が幼い少女たちに性搾取をした事実を認めること、謝罪すること、ハルモ二の名誉を回復することです。

今年は第二次世界大戦終戦80周年という、大きな意味をもった1年です。日本政府は、唯一の被爆国という戦争の被害を語るだけでなく、韓国をはじめアジアを侵略した誤った過去を認め、国際社会の手本になってほしいと思います。

ここ数年、日本と韓国は、文化を通して良好な雰囲気が形成されています。両国の国民が自由に旅行を楽しんでおり、以前ほどの嫌日・嫌韓ムードが無くなったことはとても嬉しく思います。

しかし、良好な雰囲気によって、日本が韓国にした恥ずかしい歴史を隠してはいけない。日韓が一時の良好な関係にとどまらず、本当に和解するためには、日本が韓国に残した多くの被害を認めること、謝罪すること、同じことを繰り返さないよう伝え学び続けることが必要です。

私は自分が日韓の真の和解と平和のためにできること、

それは、日本が戦時中、韓国人に対して、性搾取・強制労働・人体実験等を行った過去を、学び・記録し・語り継いでいくことだと考えます。

私は、これからも学び続け、声をあげ、皆さんに連帯していきます。

ありがとうございます。



連帯発言②_キム・ジュアン (2024年蝶の夢受賞者)

こんにちは。戦争と女性の人権博物館のボランティア活動家のキム・ジュアンです。

一年間、博物館でボランティアをしていて、多くの来館者に会いました。博物館に来られる方は本当に様々ですが、その中で最も目立つのは、他の誰よりも韓国人の来館者です。オーディオガイドの翻訳版をなんと6ヶ国語で用意するほど様々なところから来館されますが、韓国人の来館者は比較的少ないので、英語で観覧を案内することが多いです。 午前中、韓国人の来館者だけが訪れた日は不思議だと言うほどです。もちろん、海外各地から展示を見に来られるのはありがたいことであり、とても大切なことです。日本軍性奴隷制は韓国だけの問題ではなく、戦時中の性暴力と女性の人権において、世界的な連帯が必要だからです。 しかし、韓国で生きている人々も被害国で生きている人として、常に日本軍「慰安婦」問題を記憶し、発声し、広く知らせる義務があります。

なぜ日本軍「慰安婦」問題に関心が薄くなったのでしょうか。未だに日本政府は犯罪を認めず、公式の謝罪もせず、さらに日本軍性奴隷制で明らかになった軍事的、制度的な戦時中の性暴力が世界中で繰り返され続けています。人々がこのような事実を知らないから関心が減ったとは思いません。 むしろ、人々が日本軍「慰安婦」問題に関心を持てないように、声を出せないようにする国の意図的な黙認が原因でしょう。

2015年の日韓合意は、被害当事者も、公式認定も、法的責任もなかったにもかかわらず、「最終的、不可逆的な解決」という表現を使い、もはや日本軍「慰安婦」問題を言及できない社会的雰囲気を形成しました。 その後も、私たちは長い間、着実に声を上げて戦ってきました。 しかし、政府のぬるい対応は闘争の声を覆い隠してきました。

このような状況はますます深刻化しています。尹錫悅政府は昨年の夏、歴史教科書で日本軍「慰安婦」の被害事実を「恐ろしい生活」という簡単な言葉で縮小してしまいました。私が習った2015年改訂の歴史教科書も日本軍「慰安婦」についてあまり詳しく説明しておらず、歴史の先生はドキュメンタリーを通じて教科書に書かれていないハルモニたちの生活と歴史的な真実を教えてくれました。 しかし、この被害と闘争の複雑な道をたった一文でまとめるんですか。これは、日本軍性奴隷制の被害者に2次加害を平気で行い、強制動員されたという事実さえも歪曲する歴史否定勢力に力を与えることであり、学生を歴史否定勢力に育てようとする宣言と変わりません。 そのような教育を受けた学生が成長して、どのように歴史を記憶し、どのように日本軍「慰安婦」の真相究明のために声を上げるでしょうか。

私たちの口を封じ込めようとする試みが激しくなればなるほど、私たちはもっと大きな声で叫ぶでしょう。

最近、バッグにバッジやキーホルダーを付けて連帯の気持ちを表現することが多いですが、蝶バッジや蝶キーホルダーは路上ではあまり見かけないようです。 8-9年前、私が中学生だった頃は、学生会が共同購入を主管して、いつも学生の制服のジャケットやバッグにはバッジが付けられ、腕には色とりどりの分担ブレスレットがありました。私は、あの頃のように、再び私たちの周りにたくさんの蝶々が飛び交うことを願っています。日本軍「慰安婦」問題が現在進行形であることをみなさまに知ってほしいです。歴史を否定する勢力の先頭に立つ政府ではなく、歴史を正しく立て、日本軍性奴隷制被害者の側に立ってきちんと問題提起をする政府を願います。そして、すべての戦争と戦時中の性暴力がこの世からなくなることを願います。だから、私たちは毎週水曜日に日本大使館の前に集まりましょう。 そして、周りの人に伝え続けましょう。日本軍「慰安婦」問題はまだ終わっていないと。ありがとうございます。


連帯発言③_高橋ひよう (日本希望のたね基金・運営委員)

こんにちは、私は日本から交換留学生として昨年から韓国に来ました。今日は日本人として、日本人男性として、日本軍性奴隷制問題解決運動へ連帯を表明するためにこの席に来て発言をします。 私は大学で朝鮮近現代史を学んでいるのですが、学ぶようになったきっかけは、日本の歴史教育において植民地支配責任が透明化されていたことに違和感を持ったことです。私が日本軍性奴隷制問題のことを深く知るようになったのも大学に入ってからのことで、日本では一般的に、韓日関係の一つのトピックとして語られ、「反日」の象徴とされることもあるほどです。この背景には、日本軍性奴隷制問題をはじめとした日本政府によって行われた国家犯罪を認定せず、二度と同じ過ちをおかさないように歴史教育を行わないことがあります。

また、そのような状態が常態化してしまっている現在の状況は、日本軍性奴隷制問題があったころから今まで続いている男性社会が大きく関係しています。日本では昨年も女性の人権が踏みにじられる出来事が多く起こりました。性暴力の加害者が無罪にされ、選挙では女性差別を助長する候補者が票を集め、昨今は権力を持った男性による非常に悪質な性暴力事件に集まる擁護の声に気が滅入っている人も多いと思います。このような女性への性暴力・性搾取は日本軍性奴隷制問題と地続きの男性中心的な社会のもと、日常的に、構造的に行われています。現在の状況にも結び付いているからこそ、日本政府は迅速に事実認定、公式謝罪を行わなければならず、被害にあわれた女性たちの人権を回復するとともに、女性への性暴力・性搾取が構造的に行われている現在の状況を変えていく責任を日本政府に問いたいです。日本社会で暮らしてきた市民として、日本政府にその責任を問い続け、男性中心的な社会を変える責任を全うしていきたいです。 最後に、今までこの運動を続けてこられてきたハルモニたちや女性運動家の方たち、そして市民のみなさんへ敬意を表し、これからもともに連帯していくことを表明します。





第1685回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ声明書

日本軍性奴隷制問題解決のために日本政府に向けて叫んだ7つの要求のうち、一つも履行されないまま33年が過ぎまた。戦争犯罪の認め、真相究明、公式謝罪、法的賠償、責任者処罰、歴史教科書の記録、慰霊碑と史料館の建立のうち、日本政府はどれも進まなかった。日本政府に責任を持って日本軍性奴隷制問題を解決しろと叫ぶべき韓国政府も、積極的な行動を取らない。その間に何が起こったのか。

戦争と女性の人権博物館は、日本軍「慰安婦」サバイバーが経験した歴史を記憶し、教育し、日本軍性奴隷制問題の解決のために活動するスペースである。博物館を訪れる日本の青少年は、展示を観覧して初めて、日本軍性奴隷制問題が存在したことを認識する。誰も教えてくれなかったのだ。日本の文部科学省が2024年4月、日本軍性奴隷制問題の強制動員を否定する教科書を検定合格させたことは、その原因の一端を示している。日本政府は青少年の知る権利を侵害するだけでなく、右傾化した教科書を合格させ続け、歴史を歪曲している。2020年に7種中1種に過ぎなかった右翼史観の歴史教科書は、2024年には10種中4種に増えた。半分近くの教科書が右翼史観で埋め尽くされ、日本軍性奴隷制問題はほとんどの教科書から消えた。一方、韓国の歴史教科書8種のうち1種が日本軍性奴隷制問題の文脈を消したまま検定を通過した。1種だけというだけでは済まされない。日本の歴史教科書の前轍を踏んではならない。 そのため、ここに集まった私たちは、日本軍性奴隷制問題が正しく記録され、記憶されているかどうか、敏感に目を光らせて監視していく。

日本軍「慰安婦」被害生存者の長年の願いは、安全で平和な世界だった。安全と平和を脅かすのは誰か。 この空間の隣で絶えず嫌悪のスピーカーで水曜デモを嘲笑する者、このような極右歴史否定団体に集会優先権を保障する国家人権委員会のキム・ヨンウォン常任委員である。30年以上、公式の謝罪するどころか、真相究明すら履行しない日本政府だ。被害者の声は消したまま作った「2015年合意」を理由に、国連総会で日本軍性奴隷制問題について一言も言及しない韓国代表だ。屈従外交だけを行い、日本軍性奴隷制問題には言及すらせず、非常戒厳令で国民の安全を脅かす内乱首魁尹錫悅だ。彼らが作った嫌悪構造を打ち砕き、終わらせることができるのは、ここに集まった私たちの連帯だ。これからも忘れずに日本軍性奴隷制問題の解決を叫ぶ人々が持つ「記憶の力」だ。私たちが持つ記憶と連帯の力で、日本軍「慰安婦」被害生存者たちの願いである安全で平和な世の中を作っていく。

戦争と女性の人権博物館は、日本軍性奴隷制問題を正しく記憶し、解決に向けて連帯できる場となるだろう。問題を歪曲しようとする者たちへの鋭い批判を止めない。ここに集まった私たちは次のように求める。

一、日本政府は日本軍性奴隷問題の真相究明の責任を果たせ。

一、日本政府は歴史歪曲を中断し、日本軍性奴隷制問題を正しく教育せよ。

一、日本軍性奴隷制問題の公正な解決のために、私たち全員が最後まで連帯しよう。

2024年1月29日

第1685回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモの参加者と

戦争と女性人権博物館一同