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第1543回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ 週間報告&声明書

第1543回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ 週間報告

5月10日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任した。今後、大韓民国を担う尹錫悦政権が公式出発した。

過去の歴史問題について「グランド・バーゲン」、「包括的接近」などを公約に掲げ、金大中-小渕宣言精神の発展的継承を110大国政課題に含めてもいる。就任式に合わせて訪韓した林芳正・日外務大臣も朴振(パク・チン)外務部長官候補者と会見して、「早急な韓日関係改善で意見が一致した」と述べた。

 この間、安倍前総理をはじめとする日本の国会議員100名余りは、太平洋戦争のA級戦犯が祀られている靖国神社に参拝し、岸田総理は供え物を納めた。

日本政府は日帝植民地時代に朝鮮人強制動員した佐渡鉱山のユネスコ文化遺産登録を進め、さる5月6日には自民党議員連盟の幹部20名が現地を視察した。

4月28日、岸田総理は日本を訪問したオラフ・シュルツ独総理との首脳会談で、ベルリン「平和の少女像」撤去を要請したという。

平和憲法改定を衆院議員選挙公約に掲げて改定推進組織の名称を「推進本部」から「実現本部」へ換えた。そして日本憲法改定の手続きを定めた「国民投票法改定案」が、さる5月6日に衆議院憲法審査会を通過した。

 実に嘆かわしい。

 なんの態度変更もない日本政府を相手に、どうやって韓日関係の改善ができるというのか?

あらゆる侮辱と蔑視、搾取と差別を受けても天皇に忠誠を誓い、殴られて引っ張られて死んでも抵抗すら難しい植民地時代の市民と見下す態度でなければ、こんなことができるだろうか?

言葉では平和、関係改善を云々し、過去を反省するどころか植民地と戦争を称揚する日本政府のこの欺瞞的態度に、どうして尹錫悦周辺の人士たちは一言半句の反応もないのか?

日本政府は植民地不法占領と強制動員、性奴隷制の歴史を消している。韓国政府は屈従的態度で、歴史問題の歪曲と否定を容認することが未来志向的な韓日関係なのか?

「2015韓日合意」の主役、日本軍「慰安婦」賠償問題を「花代」と云々する人士、ソウル市の真ん中で開かれた天皇誕生パーティーに堂々と出席した人士たちが周りを取巻いているから、国民は当然なことと受入れなければいけないのか?

 尹錫悦政権に要求する。

 韓日関係改善は、日本政府の事実直視に基盤を置いた責任認定と再発防止が前提の誠意ある謝罪が優先する。

反省どころか被害者を叱りつけて脅す加害者の態度変化がなければ、どんな合意も後退に他ならない。治癒どころか被害者の傷に更に大きな傷を加え、和解どころか葛藤と反目の種ばかりまいた「2015韓日合意」の教訓を尹錫悦政権は絶対に忘れてはいけない。

 国民たちが抱く大きな期待と希望が、失望に変わって泡のように消えないよう切実に望む。

歴史問題がこれ以上、未来世代の負担にならないことを、先人たちの過ちがこれ以上、若者たちの力強い歩みの足かせにならないよう切に望む。

2022年5月11日

正義記憶連帯理事長 李娜榮(イ・ナヨン)


第1543回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ 声明書

5月10日、尹錫悦大統領が就任しました。

期待と希望よりは心配と憂慮が先んじます。

尹大統領は就任前から日本に「韓日政策協議団」を派遣して韓日関係改善の意志を見せました。ですが、その「韓日政策協議団」の構成員の中には2015年韓日合意の当事者が含まれていました。

2015年の韓日合意は被害者の意見さえ聞かないまま拙速に進められた合意でした。これを合意だと称することができるのかさえ疑わしいのに、そのような人を韓日関係改善の特使として送った尹大統領の今後の歩みに期待を抱くことができるでしょうか?

尹大統領はこれ以上過去の歴史を冷遇してはなりません。過去の歴史を突き放したまま韓日関係を改善しようとしてはなりません。

日本政府の姿勢も相変わらずです。

岸田総理は強制徴用被害者賠償判決と日本軍「慰安婦」問題などに対して韓国政府の適切な対応を要求し、安倍政権の立場と同じ方向性で韓日関係に対する立場を守っています。

誤りを認めず、被害者の声を無視したまま歴史を消し去ることに汲々とします。

日本軍性奴隷制問題解決のための水曜デモが、日本軍「慰安婦」被害者ハルモニが常にそうしてきたように、最後まで声をあげ続けることが重要な時です。だからこそ、今日も日本政府に声をあげて要求します。

日本政府は歴史わい曲を止めて過去を直視してください。 

被害者に公式謝罪してください。

今も世界のあちこちでは戦争と紛争が絶えることがありません。

戦時性暴力は戦争と不可分の関係にあり、戦争の副産物だったり周辺的な問題ではありません。これは「最も古い犯罪であり、最もないがしろに扱われてきた犯罪」として、戦争のもう一つの武器であり、手段です。

水曜デモには日本軍「慰安婦」被害者、そして全世界の数多くの女性たちの声が込められています。この声は歪曲され、縮小された戦時性暴力被害事実とその生を理解しようとする声であり、さらには全世界の女性たちの人権と平和のための声であり、私たちはみんなが繋がっているという連帯の声です。

その声を繋いで最後まで記憶し、連帯するという思いを込めて要求します。

一、尹錫悦大統領は歴史を正しくとらえ、日本軍性的奴隷制問題を責任をもって解決せよ!

一、日本政府は歴史わい曲を止めて直ちに公式謝罪、法的賠償行え!

一、私たちは問題解決のための行動をやめない。水曜デモは世界の女性たちの連帯とともにある!

2022年5月11日

第1543回日本軍性奴隷制問題解決のための水曜デモ参加者および中央大学社会学科第23代学生会「サイ」一同