活動報告・お知らせ

1568回日本軍性奴隷制問題解決のための水曜集会および梨泰院惨事追悼集会 週間報告&声明書(主管 新しい世の中を拓く天主教女性共同体)

週間報告

まず最初に、梨泰院(イテウォン)惨事の犠牲者の冥福を祈ります。察するにあまりある深い悲しみに落ちておられる遺族へ深い哀悼と慰労の気持ちを送り、生存者の一刻も早い回復を心から祈ります。

 ソウルの真ん中で誰もが通る空間、毎年催される行事で、信じられない惨事が起きました。楽しいはずの祝祭現場で起きた若者たちの悲劇的な死に当惑を隠せません。

 この沢山の生命が幽明相隔てる瞬間、国家はどこにいたのでしょう。10万人以上の人波が予想され、安全管理の必要性が下部から提起された時、国家はどこにいたのでしょう。歩行者の通行と交通という本当に基本的な対策が必要な時、国家はどこにいたのでしょう。「圧死する」、「大型事故一歩手前だ」、「死んでしまう」という市民の届出が殺到したその時、国家はどこにいたのでしょう。

 信じ難い凄惨な事故の後、国民の生命と安全に責任を負うべき者たちの言動はどうだったでしょう。形式的な謝罪の一言もなく、「主催者のない行事なのでマニュアルがなかった」、「警察・消防の配置不足が惨事の原因ではない」、「憂慮するほどの人波ではない」、「祝祭ではなく現象だ」などの荒唐無稽なウソと妄言を吐き出しました。「騒擾」という単語を使って警察力の分散のせいにし、無辜の市民を却って惨事の原因に追いやり、市民団体の動向を聴取して「ウサギ狩り式」スケープゴート造り作戦に突入しました。犠牲者のせいにして侮辱し、生存者の苦痛とトラウマを加重させ、遺族に二重の苦痛を与えました。泰山のように大きな悲しみと怒りに陥った国民をまたも絶望させました。

 責任回避、事件縮小と歪曲、責任転嫁で一貫し、動かせない証拠が続出するや使い回し式の表面的な謝罪、呆れるような落涙ショーを突然繰り広げました。

 この人たちはいったい何者ですか。国民の投票で、国民の税金で、国民が委任した職責に座って、権勢をふるっている者たち、それなのに国民ではなく権力者に奉仕し、国民の上に君臨しようとする者たち、責任究明を求める国民の口を封じようとする者たち、衷心からの哀悼すら妨げて人の死を政治の道具にする者たち。あなたたちにとって、国家は何であり、国民はどんな存在ですか。

 あまりにも悲痛です。

 しかし私たちは悲しみと絶望で崩れ落ちたりしません。互いに支え、労わり、温かい心で抱きしめ、耐え抜くことでしょう。無念に亡くなった方たちを衷心から哀悼するその日のために、今日を乗り越えて行くでしょう。

 日本軍性奴隷制被害生存者たちは、「国がないから」、「力がないから」こんな目に遭ったと言い、若者たちがより平和で安全な世界で生きることを望みました。守ってくれる国家がなく、苦痛の中で亡くなって行った沢山の被害者たち、九死に一生を得て帰還して加害者の心からの謝罪と真実を要求し、街角で、法廷で、勇気を出して語っていた生存者たちを記憶して継承するように、正義記憶連帯はこの惨事の真相を究明し、記憶し、再びこんなことが繰返されないように努力します。どんなに踏みにじられ、打ち捨てられ、無視され、踏まれても、雑草のように立ち上がるでしょう。一人ひとりの生命が限りなく崇高で尊厳ある社会を目指して手を繋いで歩んで行くことでしょう。

 国家がなくて無念に犠牲になったすべての方たち、国家があっても国家の保護を受けられずに亡くなられたすべての方たちの冥福を祈ります。

2022年 11月 2日

正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)


去る10月29日、私たちはやりきれない死を目撃することとなった。 国家はまたもや国民を守ることができなかった。多くの人々が押し寄せることを予見できたにもかかわらず、何の対策も立てなかった国家は責任を回避したうえ、警察庁長官は惨事から3日もたって謝罪した。犠牲者の冥福を祈る。あわせて責任を負うべき者たちが責任をとるよう強く求める。

日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモが30年以上続いている。その長い時間、被害者や市民らは街でひたすら正義の問題解決を叫んでいる。平和路の水曜デモは被害者の名誉と人権回復を要求し、人権と平和教育の場となっている。このような歴史的背景を持つ水曜デモで、歴史否定勢力は水曜デモの場所を先取りしたり、虚偽の事実を含む騒音を発して妨害する方法で日本軍性奴隷制被害者に対する名誉毀損をはかっている。こうした歴史否定勢力の蛮行が極に達している中、日本軍性奴隷制問題解決と日本軍性奴隷制被害者支援の主務省庁である女性家族部が果たすべき責務は重大だ。

女性家族部廃止に伴い日本軍性奴隷制問題解決機能まで福祉部に移管するということは、政府が日本軍性奴隷制被害生存者を「支援」の対象者であることのみを前提としていると考えざるを得ない。日本軍性奴隷制被害者たちは戦争犯罪という歴史的不正義を告発する主体であり、戦時暴力に反対し、女性人権と平和の価値を拡げる運動家だ。

「歴史を忘れた民族に未来はない」日本軍性奴隷制問題など、被害者たちは苦痛の中で人生を歩んでいる。いくらかのお金で、福祉という名目で歴史を歪曲することを直ちに止めなければならない。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政府は日本との関係を改善する前に日本軍性奴隷制問題解決の先頭に立たなければならない。それこそが歪んだ歴史を建てなおすスタートだ。

水曜デモを中心とした日本軍性奴隷制問題解決運動は、人権と平和という価値をこの地に根付かせる運動であり、この地の歴史と正義を正しく打ち立てることにある。運動の歴史を貶め、断ち切ろうとする勢力の前に屈することなく、より力強く邁進していくことを誓い、以下のようなスローガンで私たちの決意を固める。

私たちの要求

一、日本政府は被害者に公式謝罪し、法的賠償せよ。

一、日本政府は歴史歪曲を中断し、正しい歴史教育を実施せよ。

一、韓国政府は日本軍性奴隷制問題を積極的に解決せよ。

一、日本軍性奴隷制問題解決運動に対する悪意ある歪曲と人権侵害を直ちに中止せよ。

2022年11月2日
第1568回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモおよび梨泰院惨事追悼集会参加者および新しい世の中を拓く天主教女性共同体 一同